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BIOGRAPHY of GREEN DAY >>

グリーンデイの歴史
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6.Nimrod 〜新しいグリーンデイの匂い〜
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 久しぶりに我々の前に登場したグリーンデイのアルバム「Nimrod」は、今までのグリーンデイとは少し違っていた。性質の変化はあったもののインソムニアックまで、グリーンデイサウンドの屋台骨としての役割を果たしてきた疾走感のあるパンクな曲は減り、ミドルテンポの落ちついた曲の数が急増した。それだけではない、例えばホーンセクションを多用してみたり、バイオリンを導入してみたり、ギター一本での弾き語りをしてみたりと、それまでグリーンデイがしてこなかったような事を実験的に行っていたのだ。それは「自分に素直に」なり、やりたい音楽に挑戦した結果であろう。

 しかし、そう言った実験的な動きとは対照的に、それまでのグリーンデイとまったく同じような方向性も多く含まれ、とても幅広く奥深いものに仕上がっていたのである。この事に関してビリーは「ニムロッドはある意味、新しいグリーンデイへの出発点だったと言えるけど、同時にそうじゃなかったとも言える。それまでとは変わったようで実はどこも変わっていなくて、それまでとなにも違っていないようでいて実はかなり違っていたりってね。」、「音楽面で俺たちが転換期に差し掛かってるのが確実に伝わる作品だったと思うね。」と言っている。

 それまでの音楽的パンクな要素を残しながらも自分達が作り出したいというサウンドを音楽的なパンクという枠に縛られずにやっていく。この新しい試みは商業的に大成功を収めたとは言いがたい。しかし、この先の長いグリーンデイの歴史の中でこのアルバムが大きな転換点、新しいグリーンデイサウンドの方向性を垣間見る事が出来る移行期的なアルバムであった事は事実で、マイクも「このアルバムがなかったら、今の俺達はない」と話している。

 アルバム発表後、グリーンデイはいつものようにツアーに飛び出す。しかし今回は、ライブ会場に多く、小さい規模のライブハウスなどを選び、ある意味原点回帰とも取れるツアーをまわる事になった。どんなにサウンドがミドルテンポ中心になっても、グリーンデイのライブは盛り下がるどころか、常にヒートアップしていた。かつてのナンバーも取り混ぜながら、観客を煽り、爆発ライブを作り上げて行く様はまさに圧巻である。それまでの涎を垂れ流しながらの演奏から、エンターテイメント性を強めたライブへのシフトしていったのもこの時期。曲が終わりいつものようにドラムを壊し、アンプなども破壊する。これで終わりかと思うと、ビリー一人にスポットがああたりGood Riddance。この鳥肌が立つくらいの演出、そうグリーンデイはパフォーマーとして、エンターテイナーとしても一歩上の段に足をかけたのであった。

 しかし、エンターテイナーにも家庭はある。そして家族がいる。今まで忙しさにかまけてイイ父親が出来ていなかった自分がいる。グリーンデイはニムロッドツアー終了後、3年と言う長い沈黙に入ってしまうのだった。

 3年間の長い沈黙の間、彼らはバンドの練習を常に続けながら、よりプライベートに時間を使った。ステージ上では他を寄せ付けない強烈なカリスマと化すビリー・ジョーは、朝起きるとまず、子供を幼稚園に送りに行って、そしてその後バンドの練習をする。またある時は、子供のクラスを社会科見学のような感じでスタジオに招いたりと良き父親として活躍した。3人ともがゆっくりと家族との時間を満喫し、トレは新しい奥さんと結婚した。「でも、俺達はサボっていたわけじゃない。毎週5日、毎日8時間ずっと練習してた」とトレは胸を張る。作詞作曲を担当するビリーも曲を無理矢理書こうとはせず、曲が自然と浮かんでくるのを待ったという。こうして、ファンとしては長い長い、そして本人達にとっては束の間の3年は過ぎ去り、ついに始動した。

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